院長コラム
Column
ペースメーカーって?
2017年05月12日
ペースメーカーは心臓の電気の信号を感知し、異常があれば電気信号を送りこむことにより心臓の動きを調節します。胸の前に植え込む小さな機械です。通常、右心房と右心室のそれぞれに電極のリードを留置し、機械と接続します。リードはゴムのように柔らかく伸縮性があり、血栓ができないようなコーディングをされているので、静脈や心臓の中に留置することができるのです。
脈が急に遅くなる不整脈があると血圧が低下するので、ふらふらしたり、意識を失うこともあります。脈がおそくなる不整脈には、薬による治療が困難である場合が多いので、重症であればペースメーカーによる治療が必要となります。また脈が遅い不整脈を持つ方は、脈がはやくなる不整脈を併せ持つ場合も多いので、ペースメーカーから電気信号を送りこむことにより不整脈を停止させたり、その発生自体を予防する機能も合わせもっています。
日常での注意点としては、ペースメーカーは金属でていますので、空港などでの金属探知機検査ではブザーが鳴ってしまいます。強い磁石に対しても、機能が停止してしまう場合があるので、磁場の強い職場では注意が必要です。また強いドリルのような振動や電気治療なども誤作動の原因になりえます。
最近では磁力に強いものがでてきて、従来撮影が難しかったMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)も撮影ができるようになったり、電話線を通して不整脈を遠隔モニターする機能を持っているものが増えています。予期しない重症な不整脈やトラブルが起こった場合には、即座に対応できるようになってきています。