診療案内
Medical
不整脈の診断と治療
循環器疾患の治療の中でも不整脈の診断と治療はこの20年来で最も進歩した分野で、少し前までは治療できないと思われてきたものでも根治できるようになってきています。早めの診断と治療が望ましいというのがキーワードになりますので、動悸、息切れ、ふらつきなどがでたり、脈がおかしいなどの不安をもたれている場合はぜひ一度ご相談ください。最新の診断機器により診断し、最適な治療を行います。
不整脈の検査
24時間(ホルター)心電図
ホルター心電図は、日常生活中の一日(24時間)の心電図を記録して、これを解析する検査です。不整脈や狭心症の発作は、夜や早朝にも多く見られるため、実生活の中で心電図を記録し続けるこの検査が必要となります。その重症度と発生時間などから、治療の要否を判断したり、薬の治療効果を判定することができます。当院で使用する最新型のホルタ―心電図は小型であり、患者様への負担はすくなくなっています。
1週間連続心電図
たまにしかでてこない発作の場合には1日の心電図記録では診断が不十分な場合もあります。今まで診断がついていないのでよりしっかり調べたい、症状から重症の可能性が高い、カテーテル治療後に確実に再発していないことを確認する、などの場合にはおすすめさせていただきます。自分で取り外し、入浴も可能です。
薬物療法
不整脈専門医による
診断・治療が大切です
まずは不整脈への薬による治療が基本となりますが、高血圧や糖尿病などの背景の疾患に対する配慮も大切です。基礎疾患や年齢によっても使用する薬の種類や量が違ってきますし、特殊な病状も多いことからそのさじ加減と定期的なチェックが大切です。不整脈専門医による適切な診断と判断が必要と考えられます。
植え込み型デバイスの管理・治療
各種ペースメーカーの
定期チェックを行います。
遠隔モニタリングにも対応。
心臓植え込み型デバイスとは、心臓の電気的な信号をモニターし、必要に応じて治療の刺激を送り込む装置で
主に下記の種類があります。
- 心臓が拍動するスピードが遅くなり過ぎないようにするペースメーカー
- 命にかかわる危険のある致死性心室性不整脈を自動的に感知して、治療する植え込み型除細動器(ICD)
- 心臓の電気のバランスがくずれ心不全をおこしているのを改善させる心臓再同期療法(CRT)
当院では定期的にデバイスを問題ないかをチェックし、設定の調節も行います。最近では、遠隔モニターができる機種が増えてきています。遠方に住まれている方でも不整脈のイベントや作動状況が院内のパソコンからすぐさま閲覧できることから、異常があれば早々の対応ができるようになりつつあります。
患者さんのご自宅に、専用の中継機器を設置して頂くことで、自宅から植え込み型デバイスの情報を専用のサーバーへ送信し、医療機関から情報を閲覧できるシステムです。そのため、患者さんはデータを送信すれば、病院を受診すること無く、自宅にいながら医療機関へ植え込み型デバイスの情報を提供することが可能となります。
カテーテルによる根治治療
6500例以上の治療実績。
院長自らが治療。
不整脈は心臓の中に異常な電気が発生したり、伝導の障害などがおきるとことにより起こります。静脈から診断と治療のカテーテル(直径2mm程度の管です)を挿入し、体外からは記録できない小さな不整脈の電気信号を記録し、不整脈の診断をより詳細に行い、不整脈の原因となる電気的異常を示す部位にカテーテルをもっていき治療を行います。必要時間は30分~2時間程度です。
院長自身、不整脈の診療には長年にわたり多くの時間を費やし携ってきました。その中でも不整脈の根治を目的としたカテーテル治療(アブレーション)では勤務病院以外の多くの中核病院からも招聘いただいてきたこともあり、現在(2020年5月末)までに6,000人以上の患者様にメインの術者として治療にあたることができました。個人としましては日本でも有数の経験と実績であると自負しています。
治療には数日間の入院が必要となりますので、治療環境に十分に慣れ親しんだ基幹病院や専門病院と緊密に連携し、院長自身が責任もって検査・治療を担当させていただきます。
心房細動
心不全や血栓塞栓症の予防が大切。
カテーテル治療により根治も可能。
心房細動は年齢とともに罹患頻度は増加し、70歳以上の人の約5%に認められる最も多い不整脈です。心臓のリズムに異常をおこすことにより脈が乱れ、動悸、息切れ、胸部不快感、ふらつき、意識消失などさまざまな症状に関係します。心臓のポンプ機能や血流の低下による心不全の進行や脳梗塞などの塞栓症の発症が危惧されるため、症状がないといって放置することはできません。特に高血圧や糖尿病などの生活習慣病の患者様では、そのリスクがさらに高くなるため、適切な薬による予防治療が大切です。また根治治療としてのカテーテル治療(アブレーション)は、より早期の治療によりその有効性は高くなりおすすめできる治療です。