院長コラム
Column

心不全って?

2017年05月19日

「心不全」っていわれましたという患者さんの話はよく聞きますし、「心不全」で亡くなられたという話もよくあります。心臓にちょっと異常があるといわれたから「心不全」だと信じいている方もいるかもしれません。「心不全」はよく使う言葉ですが、「心不全」ってそもそもなんでしょうか?

 心臓は規則正しく収縮することにより、ポンプのように血液を全身に送り出しています。厳密な意味ではこのポンプの機能が不十分なことが「心不全」です。

心臓のポンプの機能が低下すると、肺からの血液が心臓にスムーズに戻りにくくなるので、肺の血圧が上昇して息切れや呼吸困難の原因となります。また各臓器や組織に十分な血液を送ることができないので、臓器障害や手足がつめたくなったりします。

「心不全」の原因はさまざまですが、心臓が代表的な原因の場合は、

・狭心症や心筋梗塞など血管に血流の異常が起こり、その部位に一致した心臓の動きが悪くなる。

・心臓の筋肉の病気やウイルス感染等によって筋肉がちゃんと収縮できない。

・弁の働きが悪かったり、逆流を起こすことにより血液を送り出せない。

・不整脈によりリズムに異常が起こり効率的に動けない。

・生まれつきの心臓の奇形で穴があいていたりすると心臓のポンプが正常にはたらかない。

などがあります。

その他、貧血が強かったりしても心臓に負担が増えるので心不全を増悪させる原因となります。「心不全」と一言でいってもその原因よっても病状はさまざまです。その原因をしっかり診断したうえで、治療にあたることがとても大切です。

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