院長コラム
Column
リバウンドしないようにすることがダイエット
2017年06月21日
痩せたいと思われている方は女性を中心に多数おられ、最近はまさにダイエット花盛りです。ダイエット法もさまざまあり、テレビでもどのダイエット法が一番てっとり早いのかを比較する番組も放映されています。だれでもダイエットを一度は試みるのだと思います。
いずれのダイエット法も一理あり、それなりの効果を示しているようです。しかしながらダイエットが成功した人を数年後に追跡して見てみますと見事なくらいにリバウンドしたり、場合によってはもとよりも太られている場合も多々あります。一般的に短期的にダイエットに成功した方の8割以上はリバウンドしてしまうようです。実はリバウンドしないようにすることも含めることが、本当のダイエットなのだと思います。
過度な食事制限などの無理なダイエットは栄養状態を障害することも多く、骨や筋肉の量をさらに減らしてしまうため体にはとても悪いですし、無理な我慢が強すぎると維持することが困難になりリバウンドの原因になります。できるだけ早く痩せたいという気持ちはわかりますが、維持可能かどうかという長期的な視点をもつことが大切です。
体重は摂取したカロリーと消費したカロリーのバランスですので、カロリーを取り放題でこれさえ飲めばOKというわけにはいきません。しかしこの手の話はお金になりやすいので混乱しやすい眉唾的な話があふれかえっていますので注意が必要ですよね。
まず摂取の方法としては、まずは食べ方です。「早食いは万病のもと」といいますが、食べてから満腹になるまでは少し時間がかかるので、早く食べる習慣は食べ過ぎてしまうことにつながります。昔からよく噛んでゆっくりたべなさいといわれますが、ゆっくり味わって食べるように心がけることがまずは大切なのだと思います。
それと食べる内容も関係ありです。特に糖質はカロリーに変換されやすく、過剰な摂取は脂肪を中心とした体重の増加に強く関係します。またスイーツなどの糖質レベルの高い植物を多く食べる習慣は糖尿病の原因にもなります。たんぱく質や野菜などの糖質以外の食べ物で満腹にするなどの工夫は有効なのだと思います。現在、糖質ダイエットやローカーボンダイエットなどがそれなりの有効性をしめしていることも納得できます。
消費の方法としては消費エネルギーを大きくするために運動する習慣がとても大切です。運動しないで体重だけ減らすことはとても不健康です。運動自体は消費のカロリーをあげますし、筋肉量が多くなってくると基礎代謝率があがり、少々のエネルギーを摂取しても太りにくい体になります。
これは少し思い付きのところがありますが、ダイエットの時に空腹がどうしても我慢できない時にも運動するという方法があるのかもしれません。運動時には消化管から筋肉に血液が移動しますし、消化管の運動を促進する副交感神経から交感神経への支配の変化がおこり空腹感が少なくなります。さらに交感神経の活性化は低血糖も改善させます。
そうはいっても家系や体質的にふとりやすいから仕方がないといわれる方もおられます。確かに基礎代謝量は人によってかなりのばらつきがあるので、少ししか食べてなくても太りやすい人がいます。しかし高血圧などの生活習慣病も家系は強く関係するといわれていますが、その多くは同じような生活環境を共有していることが病気の原因と考えられます。太りやすい家系の方は家族で太りやすい食事と習慣を続けている場合もあるので以前の生活を少し振り返ってみる必要もあるかもしれません。