院長コラム
Column
クリニックまわりの異国文化
2023年08月14日
クリニック前の御堂筋には観光客の方もどんどん多くなってきました。
日本の方だと思っていたら外国の言葉を話している方も多いので、おそらく半分位は外国の方なのでしょう。
今週から中国の団体ツアーがコロナ禍から解禁にもなり、今後ますます増えてきそうな気配です。
一方、日本人は高齢化と少子化に伴い、今年は東京も含めすべての都道府県で人口が減少に転じていることが報告されました。
大阪府全体でももちろん人口は減少していますが、逆に大阪市内では人口が増加しているそうです。今年全国の自治体の中で一番人口が増加しているのが大阪市とのこと。
その中でもクリニックのある中央区は逆ドーナツ化現象として一番の増加率で、この20年間で人口倍増です。
昔はビジネス・商業街だったのが、人が住む街にかわってきたという感じもします。
近年では半分は外国人の増加であり、特にアジアからの人が多そうです。
観光客の増加に伴い、日本に在住される外国からの方もどんどんと増えているのです。
クリニックまわりの飲食店も、多国籍のものがどんどん増加中です。
クリニックの診察が終わるとそれなりの時間になってしまうので外食をすることも多くなるのですが、中華・韓国・インド・ベトナムなどかなりバリエーションのある食事にだんだんとなってきました。
また、クリニックから少し東に歩いた島之内方面では、中華料理の店が増えています。数年前は数件だったのが、あっというまに数十件になったそうです。
コロナ禍で母国に帰国ができなかった中国出身のコミュニティーが立ち上げたとのこと。
中華街としては横浜や神戸が有名ですが、第3の大阪みなみの「ネオ中華街」も発展途上なのです。
少し違うのは観光客のみならず、大阪みなみに在住している中国出身の方も対象とした本場の「ガチ中華」です。
店の中では、中国語がとびかい異国情緒があふれています。
最近では、羊のスープを飲むとなぜか元気になるので、ときおり店に寄ってしまいます。
日本人ではほとんど食べないメニューもいろいろありますので、チャレンジャーにはおすすめです。
そして、それに伴い外国からの子供も急増中です。大阪みなみのある小学校の生徒の半分は親が外国由縁だそうです。
しかし、多国籍に伴うさまざまな教育問題もあり、特に言葉の障壁の解決は簡単ではないとのこと。
親がちゃんとした日本語をしゃべらない子供は、言葉の発達が不十分で、授業がうまく受けれないという問題もあるそうです。
日本語と母国語の両方がしゃべれない状態に育ってしまう危険性もあり、バイリンガルになるにはかなりの時間と努力が必要のようです。
クリニックにも日本語がしゃべれないアジアの方はときおり来院されます。ポケトークやGoogleなどの翻訳ソフトを使用しても、診察で十分な意思疎通がとれない場合もありそうです。
急増する外国の方への医療問題は、これからもいろいろとでてきそうな気配です。
外国の方が日本にうまく適応するにはまだまだ道途上であり、その解決には少々の時間もまだかかるのでしょう。
そして、大阪みなみがその試金石なのだという気もしてきます。