院長コラム
Column
相手の立場に
2023年10月13日
「そっちの都合なんかどうでもいい。はやくこちらのことを優先してなんとかしろ」というクレームは、サービス現場のトラブルでよく聞く言葉です。
交通サービス、飲食、ホテルなどがまず思いあたりますが、クリニックでも同様です。
対応が悪い、効率的でない、長く待たされるなどの理由が多そうです。
もちろんトラブルの内容をきっちり伝えて共有することは大切です。しかし、すべてが思い通りになるわけではありません。気づかない隠れた事情もあるのでしょう。
クレームをいう方にだけ手厚くするという判断もあるかもしれませんが、その他の周りの人へのしわ寄せとなるので個人的にはどうしても同意できません。
自分だけがよければいいという独りよがりからくる不満もありそうです。つまり相手の立場を理解しないということです。
可能な限り解決策を探るべきですが、相手の立場になるということも大切だと思います。そして周りの方の迷惑になっていないかという視点も必要です。
小さな子供はなかなか人の気持ちがわからないのは、経験不足で相手の事情をうまく想像・理解ができないからなのでしょう。
いろいろな経験を積むことにより、裏に隠された大変さがわかってくるというのもあるのだと思います。
たくさんの苦労をした人は優しくなれるということは、相手の大変さやその気持ちを理解・共感できるからなのでしょう。
クリニックも開業してしばらくたちますが、いくつかのトラブルも経験し、いろいろな学びもありました。
私自身少しは相手に寛容になり、その立場を想像できるようになってきたのでしょうか?
あまりうまくいっていない店に立ち入った時には、不満というよりは大丈夫かと心配な気持ちにはなります。
もちろん、あまり相手の都合ばかりでも、本質を見誤るなどの問題もあるのでしょう。
しかし、相手のことをうまく理解できないといろいろなトラブルも多くなり、お互いの機嫌も悪くなります。
相手の立場に立ち、お互いに思いやり歩み寄る努力は、コミュニケーションには必要です。そして、長期的に良好な関係を維持する上でも大切なことなのだと考えています。