院長コラム
Column
生活習慣管理
2024年02月25日
若い時代は何を食べても太らなかったのに、きがつけばお腹がポックリ。私も含め多くの人が感じられているのだと思います。
そして、脂肪、血糖、血圧が少しずつ高くなり、脂肪肝による肝臓の酵素も増加も。いわゆるメタボです。
多くの場合、生活習慣がよくないから生活習慣病といわれています。少し前では成人病といわれていました。
薬での治療も必要な場合もありますが、まずは生活管理が治療の基本です。
生活習慣を改善できないと薬の効果も限定的です。
当院の診察でも多くの方に生活習慣病への治療をしています。
もちろん、薬の投与・調節、血圧や血液検査のチェックなどが必要なので来院いただいているのですが、食事指導、ストレス管理、運動のすすめ、適切な体重などなど、、個々に応じた生活指導も大切です。
毎回決まったように、食事、運動、体重管理のことを聞いているのだと思いますが、その効果は不十分なのかもしれません。
アルコール制限や禁煙などを勧めるも、「それはわかっていますがどうしても、、、」。
もちろんその気持ちは理解できますし、私も偉そうなことはいえません。
指導はきっかけにはなりますが、ゴールは患者さんの心の中にもあるということなのでしょう。
今年、保険診察での指導の在り方が改定されることになりました。おそらく6月あたりからの導入です。
高血圧、高脂血症、糖尿病の3疾患は従来では特定疾患に分類されていたのが、これからはずれ生活習慣病指導への別分類へと移行になります。
具体的な運営は検討中のところもあるようですが、その指導には治療計画と患者さんの承諾が必要になります。
そして長期処方やリフィル処方に同意することもその指導料への該当条件にくわえられます。
指導はいいから薬だけをだしてほしいといわれる方には耳の痛い話かもしれません。
指導料は少し高くなるのですが、その他の処方料や管理加算などが削減されるので、患者さんの金銭的な負担は少しへりそうです。
運営的なことをいうと内科クリニックの診療は指導料があるからこそ運営していくことができるのですが、指導に同意いただけない患者さんばかりになるとやっていけないということにもなります。
おそらく生活習慣病をよりしっかり管理するようにという国からメッセージなのでしょう。
しかしその背景には、何がなんでも医療費の抑制。その中でも、クリニックから病院や薬局への医療費の再配分という国の方針も隠れています。
さらには中途半場なクリニックはなくなった方がいいというおもわくもあるのでしょう。
今回の改定により、なんとか細々とやっている小さなクリニックなどは廃業の危機にされされていくといううわさです。地域医療も心配です。
昨今様々な制度改革があり、クリニック運営には本当に大変なきびしい時代になっていきそうです。
今まで通りでは、だめな時代になっていくのでしょう。
よりきっちりと生活習慣病をきっちりと管理し、その治療目標を患者さんと共有していくよい機会なのだと自分に言い聞かせています。
そして、それには患者さんの意識改革も必要なのでしょう。