院長コラム
Column
人と金魚
2024年05月27日
時間がある時はボーとしながらもYouTubeのコンテンツをよく視聴します。少々時間が長いのが気になりますが、興味にそったいろいろな分野のコンテンツが多数ありすぐにアクセスできるのが気に入っています。
最近ではスポーツ(特にゴルフや野球)、経済、医療関連などが多いですが、経営者の講演などのコンテンツもためになります。
先日、先進的な経営者であるソフトバンクの孫正義さんの講演を視聴しました。彼の考える壮大な未来の夢を語られていたのですが、それが正夢になりそうな気もしてきます。
最初に金魚の写真のスライドを提示され、これがもっとも重要な未来なのだとか。
人工知能(A I:Artificial Intelligence) は、すでに今でも部分的には人類を凌駕し、アメリカの一流の大学、医師や弁護士などの資格試験にも容易に合格できる知能レベルにあります。
これが近いうちにも様々な分野(医療、製薬、運輸、金融、物流、ロボットなど)、に適応される汎用人工知能(AGI; Artificial General Intelligence)にどんどん進化していきそうです。
人類の英知が脳神経のニューロンネットワークの数×経験・知識だと推定すると、10年後にはAGIは10年後には人類の10倍のレベル到達し、さらに20年後には人類の1万倍のレベルになるとのことです。
ちょうど人類は金魚の1万倍のニューロンネットワークをもっているのですが、20年後にはAGIと人類の関係が今の人と金魚の関係になるとのこと。
金魚に教育しようと考えますか?おそらくだれもそのようなことは考えないので近い未来に人類は様々な分野でAGIを活用せざるをえないとのこと。
現在、AIに任せた車の自動運転で事故が起きた場合どのように責任をとるのか?という議論がされますが、事故の頻度が今の1万分の1にまで低下すれば誰もそのような議論はしないと。
もちろん医療に関しても人ごとではなさそうです。今まで人の感情を読み取るのは人だからこそできることと考えられていました。
しかしAGIは根気よく相手の要求や感情パターンをうまく読み取り、よりすぐさま最適なアドバイスができるようになっていくので、カスターマーサービスやクレーム処理にも適していそうです。
少し想像してみるだけでも、多くの診療行為は医者だからこそというものではないのかもしれません。オヤジとしてはつらいですが医者の働き方自体も変わらずにはいられないのでしょう。
新たなる産業革命ということなのでしょう。おそらく、その他の産業の構造や人の働き方はどんどんと変化していくのは間違いなさそうです。
この波にうまく適応し、生かしながら自らの居場所を探していかなければならないということなのでしょう。
20年後にどのような未来になっているのでしょうか?その時に金魚(人)は人(AGI)をうまく使いこなすことはできるのでしょうか?
子供の頃に見たSF映画(宇宙旅行やタイムマシンなど)をみてワクワクした気持ちを思い出すとともに、AGIに支配・管理され身動きがとれなくなってしまった人類の近未来も同時に想像してしまい少々不安になるという複雑な気持ちにもなってしまいます。