院長コラム
Column
血液さらさらは大切です
2017年04月15日
血液はそのままにしておくと固って血栓になってしまいます。血液の中には血を固まらせる因子(凝固因子や血小板など)があるためです。
昔の厳しい自然の環境の中では傷ついて出血したときにすぐさま止血できないと命を失ってしまうため、進化の過程でその作用は必須だったからだと思います。
一方、現代のような長寿社会では、血栓ができやすいことが問題となる場合も増えてきました。通常の状態では、血栓ができないようにするため、血液に接する血管の内皮細胞から血栓ができないようにする物質を分泌され、血栓ができることを予防しています。しかし、心不全や不整脈などの心臓の病気や血管の病気に罹っていたり、老化がすすんだりすると内皮機能は低下します。血管の中に血の塊できてしまい詰まってしまうことが、脳梗塞や心筋梗塞の原因となりますので、いつも血液をさらさらにしておくことが、心臓病の方やご高齢の方では大切なのです。
血栓のリスクのある循環器病の患者さんにおいては、どの薬が後を改善させることができるのか?については数多くの大規模の臨床研究が行われています。それらの結果では、血液をさらさらにさせる抗血栓薬は脳梗塞や心筋梗塞を低下させ、その使用はリスクの高い方にとって大切であることがそれらの結果により証明されています。