院長コラム
Column
ロック人生
2019年03月22日
内田裕也さんが樹木希林さんの後をおうように他界されました。
希林さんの葬儀の時には車いすでかなり弱られているようでした。死因は肺炎とのことですので、かなり衰弱された状態が続いていたのでしょう。
津川雅彦さんの時もそうでしたが、夫は妻の後をおうように他界される時が多いようです。生きがいを失ったとか人生の役割を終えたと感じて心と体が弱ってしまうためかもしれません。
逆のパターンはあまりないようですので、男性と女性とは少し違うのかもしれませんが。
裕也さん夫婦のことは以前のコラムでもすこし書きましたが、改めて不思議な夫婦だと感じます(2018/9/18分)。
マスコミも二人の関係のことはよく報道しています。とても興味深いキャラクターの方なのでどのように思い人生を生き、終えたのかは多くの人が注目しているのでしょう。
「俺の人生はロックンロール」とロック人生を自認されました。
私も含めて人生ロックンロールとは?と思われるかたもいそうです。私の独断と偏見で少し考えてみました。
ロックンロールとはアメリカのリズム&ブルースとカントリーミュージックなどが合わさり1950年代にできた音楽です。
言葉どおりなら揺れて転がるという意味です。
私より少し年上の人は盛り上がった時にロックンロールと叫ぶ人がいますが、破天荒に盛り上がるという少しやんちゃで悪ぶったイメージもあります。
個人的にはロックと言えば、昔のローリングストーンズをイメージします。
ロックと関係ないのかもしれませんが、「Rolling stone gathers no moss」転がる石にコケむさずという有名な英語の諺も思い出してしまいます。
いつまでも新鮮で変化に富んでいるという良い意味と浮気者でしっかりしていないという悪い意味があるようです。少しはRockのイメージにかすっているのかもしれません。
裕也さんは民主党の政権のとき事業種分に参加され、ゲームにもなりました。いわれてみれば知事選にも出馬されたこともあります。
既得権益に迎合せず、世間の不条理や問題点をするどくえぐるというのもロックなのでしょう。
兵庫県で生まれ、大阪で育たれました。関西ロック界のドンとのことです。
以前「ケンミンSHOW」のTV番組をみていたら、大阪の西成の人は今日も裕也さんに約束をすっぽかされ毎日機嫌よく飲んでいる人がよくいるとのことでした。
ものにしばられずその日暮らしというのもロックなのかもしれません。
大阪の病院に彼の友人が入院した時に、同じ病棟の全員に挨拶周りをされていたということを知り合いから聞きました。友を大切にし、仁義を通すのもロックなのでしょう。
ヒット曲には恵まれなかったかもしれません。しかし生き様でロックを実践し、それを多くの人の心に残されました。
設定は少し違うかもしれませんが、裕也さんの訃報をきいたとき、鉄拳さんが作られた「振り子」というパラパラ動画を思い出しました。
ロックな男性とそれにあこがれて結婚した女性が、現生では苦労したが、次の世では感謝しあい仲良く歩み寄るという話です(https://www.youtube.com/watch?v=EB19So6SNe0)。
裕也さんも希林さんにいろいろ苦労をかけたなといいながら、次の世では仲良く手をつないで歩いているのでしょう。ご冥福をお祈りします。