院長コラム
Column

シンギュラリティ―

2019年09月27日

前回のコラムで身の回りの人工知能(AI)について書きましたが、今回もその続きの妄想です。

通信環境もうすぐ5Gとなりの時代となり、情報の飛び交う量も各段に増えます。身の回りでことあるごとにAmazonサービス、Googleでのスマホの検索、SNSなどの情報サービスに接するとAIについては定期的に考えてしまいます。

AIは深層学習という人間の脳細胞のシナプスをイメージした原理により学習するそうです

多量の情報を取り込むことにより、その違いを徐々に認識、改善していくのです。つまり人間と同じような過程や経験により学習していくのです。

しかし人間と違ってその情報処理速度や蓄積量は天井なしです。

そして人間とAIの一番の違いは?という答えは、人間には寿命があるが、AIは永遠と生き続けるということです。

目先のことだけを考えると人がAIを管理できるような気もしてきますが、長い時間軸でみると圧倒的な差がでてくるのは間違いなさそうです。

我々が死んだ後もAIはずっと学び続けてすべての人を理解する神様のような存在にどんどん近付いてくるということなのでしょう。

そして人類が想像もできない革新が、すごい速度でおきてくるのでしょう。

シンギュラリティ(技術的特異点)という概念があります。

AIの第一人者でありGoogleアプリの開発者のレイ・カーツワイル博士により提唱された未来予測です。

AIが発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念です

自己フィードバックで改良、高度化したAIが、「人類に代わって文明の進歩の主役」になります。

2040年には1000ドルのコンピューター(PC)は全ての人間(70億人)を合わせたより知的になります。

AIがAIを管理することにより、人が想像できないくらい進化していくのです。そしてそれは2045年あたりにおきるとの予測です。

医学的なものについても言及されているようですので、いくつかを書いておきます。

・精神転送(マインド・アップローディング)は成功し、人間がソフトウェアベースになる。

・ナノマシンは、脳内に直接挿入することができ、脳細胞と相互作用することができる。

・人々の脳内のナノマシンは脳の認知、メモリ・感覚機能を拡張することができる。

・人の知性、記憶や人格の基礎を変え、人々は自分の脳内の神経接続を自由に変更できる。

その時には医学もいろいろとかわっているのでしょう。

大阪大学循環器内科学の同窓会での講演の中でもシンギュラリティ―の話がでてきます。

近いうちに医学の分野にもAIがどんどん入りこんで、医学研究の質が根本的にかわる可能性があるのというのは多くの研究者が共有している概念のようです。

私には本当なのかどうかは全くわかりませんし、未だいろいろな意見もあるようです。

しかし、子供の頃には想像もできなかったことが、情報伝達・処理の分野では革新がおきていくことはまちがいありません。

数世代先には未来映画のマトリックスのように人はAIに管理され、仮想現実で生きているのではと妄想してしまいます。

 

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