院長コラム
Column
新型肺炎
2020年02月05日
中国の武漢発祥の新型肺炎が中国のみならず日本においても発症する患者さんがでてきました。どれくらいまで広まっていくのか不安ですね。
いくつかの動物を介してウイルスが変異し、市場からの広がったようですが、アメリカの報道では、細菌研究所から広がった可能性もありえるとのこと。
新型肺炎はコロナウイルスの変異型です。コロナウイルスは普通の風邪の起因ウイルスの一つであり、風邪の10-15%がコロナウイルスによるものだと考えられています。しかし、ウイルスが変異することにより強毒化し、肺炎へと重症化する原因にもなりえます。
以前 香港や韓国で広まった重症呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスの変異型なので、今回の新型肺炎もよく似た特徴をもつのだと思います。
中国からの出国規制もあるからか、観光バスの到着もへり大阪みなみの観光客は減っているように思います。
そして大阪みなみにでてくるのが心配なためか、街ゆく人も少なくなっています。そして心なしか来院される患者さんも少ないような気もします。
経済にあたえる影響も大きそうです。大阪みなみの黒門市場でも春節の時期だったにもかかわらず観光客は少なく、観光客がへって商売あがったりとのこと。
街ゆく多くの方はマスクを着用されています。昔は黒いマスクをつけるのは暴走族かケンカ上等の愚連隊というイメージがありましたが、海外の人は黒のマスクが好きなようですね。
中国ではマスクの買い占め問題もあり、売り切れ状態で値段が急上昇しているようです。
クリニック周りでも少し前に中国の方と思われる人が両手いっぱいの紙袋にマスクを買い占めていました。
当クリニックではなんとか必要分のマスクは確保できましたが、翌日から品切れとのことですので、引き続いてしばらくは日本でもマスクが不足する可能性もありそうです。
もちろん今後の動向は注意深く見守る必要がありますが、現時点では新型肺炎への過度な恐怖をもつ必要はないようにも思います。死亡率は高くても2%と報告されていますが、実は中国で罹っている人の数がもっと多い可能性もあり、もっと低いのかもしれません。
まずは保健所の指示による処置が必要なので、どうしても不安が強い場合は電話相談も可能です(06-6944-8197)。
新型肺炎の最も重要な判断基準はまずは近日中に武漢への渡航歴があるかどうかです。当クリニックの隔離スペースにも武漢への渡航歴があれば申し出る旨の張り紙を作りました。
確定診断は遺伝子の増幅検査が必要です。現時点ではクリニックでの確定診断はできないので、専門施設のみでの取り扱いです。そして重症例以外は、インフルエンザと同様に拡散しないように自宅での待機です。
新型肺炎への心配からインフルエンザのことは忘れられそうですが、インフルエンザによる関連死は、日本では毎年1万人程度と目算されています。アメリカでは、新型肺炎が騒がれている間にインフルエンザの大流行によりすでに8000人以上が亡くなられたそうです。
今のところ新型肺炎よりインフルエンザのほうがより注意が必要なように感じます。
インフルエンザや風邪一般でもそうですが、くしゃみなどの呼吸器症状がつよい人は他の人に拡散する力が強いので注意が必要です。
インフルエンザでも症状の強い人では、あっという間に検査試薬が陽性になるので、多量のウイルスを拡散してるのだと日常の診察でもよくわかります。
咳やくしゃみのある人は必ずマスクを装着することが大切ですし、もしまわりにそのような症状が強い人がいる時には近寄らないようにしたほうがいいと思います。
そしてウイルス感染の予防には特に手洗いは重要です。ウイルスはあらゆるところに飛沫しており、それを手で触れる機会が多いからです。そして、保湿を心がけ、体を温めておくことが予防には大切です。