院長コラム
Column

脈がはやいのはよくないの?  

2017年05月29日

 

象の時間、ねずみの時間という本がありました。心臓が一生に打つ回数は決まっているかもとしれないという話です。

おおきな動物の代表の象は心臓の脈が遅いので、寿命がながく、ねずみの脈は速いので寿命が短いということです。象は時間がたつのがゆっくり、ねずみは時間がはやく感じているのかもしれません。

たしかにいろいろの動物を見渡してみると、その法則は多くの動物に当てはまっているようにも感じます。亀とかも脈がゆっくりそうですし、北極クジラは150歳以上の寿命です。人間は体にしてはそれをかなり超えた長い寿命ですが、大昔の厳しい自然環境では30歳位の寿命だったそうです。

こと人間の病気に注目しても当てはまっているのかもしれません。心不全のある患者さんではやい脈がずっと続いていることは予後を悪化させるリスクになっていますし、不整脈で脈がはやくなることもとてもよくないです。また脈をゆっくりさせる薬が予後を改善させる効果があることが明らかにされています。

日常生活では、適度な運動習慣をもったり、リラックスをするなど普段の脈を安定して低下させるような生活習慣はいつまでも元気に長生きとするためには大切なのだと思います。

一覧に戻る