院長コラム
Column

マンダラ

2021年07月26日

曼荼羅(マンダラ)とは蓮の花をイメージした模様で、仏教では悟りを開くために生まれたシンボリックな図柄です。

日本では真言密教のシンボルとして有名です。真言密教といえば高野山ですが、その始祖である空海がインドー中国に広まる密教を奈良時代に持ち帰ったとされています。

中心となる大日如来の周りを様々な如来や菩薩がマンダラ状に取り囲んでいる様も特徴的です。

宇宙の真理であり、大切なものは自分の周囲にマンダラのように広がり存在しているということにもつながるそうです。

高野山には関西の人でしたら何度かはいかれたことがあるのだと思います。世界遺産として多くの歴史的な観光資源がありますが、豊臣秀吉、武田信玄、伊達政宗など数々の名だたる戦国武将が来世の幸せを願い建立したお墓を眺めているだけでも趣があります。

また、お笑いの島田紳助さんと掛布さんの「人間マンダラ」という関西ローカルの番組もあったのを思い出します。少し風変りな人の特徴を描き、それを応援する番組だったと思います。笑いあり、涙ありのおもしろい内容でした。そして世の中にはいろいろな人がいるものだと感心もしました。

紳助さんは引退する前にも仏教に関連する本も出版されていたので、仏教の教えにより忙しい日常のバランスをとっていたのかもしれません。

マンダラのデザインをもとに目標を明確にするマンダラチャートというものがあります。大リーグで大活躍の大谷選手がこのチャートを目標達成のために使用していたことは最近マスコミでも取り上げられています。

おそらく大谷選手のようにありたいと多くの人が思っているのでしょう。

3×3の9マスを描き、真ん中に一番の目標を書き、その周囲にその手段や戦術を記載するというものです。

野球で一番になるためにはという目的の周囲に、その達成のための手段が記載されています(図)。

興味深いことは野球に関することだけではなく、人間性の部分です。周りの人への気遣いや望ましいマナーなど人として評価されている理由もうなずけます。

眺めてみるとチャートに記載されたとおりに人間に成長されたともいえそうです。そして、高校1年生の時書き上げているということは驚くべきことです。

大切なことを早くきづき、それを明確化できるということが大成するには大切なのだとも感じてしまいます。親の教育成果の一つなのかもしれませんね。

マンダラ手帳というのもあります。

個人的にも10年以上前に使用していた時期がありました。

日々の予定管理に加えて、人生や仕事上で大切だと感じていることをマンダラチャートにしておくというものです。

100年、10年、年、月、週単位のチャートがあります。あまり厳密にするのは大変すぎるので、個人のペースに合わせるのがいいような気もします。

5年位は使用していましたが、いつも手帳コーナーに見当たらなくなったために途切れてしまいました。よい手帳なのだと思いますが、もしかしたらどこでも売られていないのかもしれません。

今の予定管理は出張先の予定共有の利便性からgoogleカレンダーですが、大谷効果で改めてマンダラチャートを振り返ってみたい気にもなってきました。

おそらく、それぞれの人生の時期において大切にしているものや目的も変化していくこともあるので、適宜確認しておくことは必要なのでしょう。

そして多くの人はなんとなく生活し、このままでいいのかと言葉にできない不安を感じているのだと思います。その不安が病気につながることもありそうです。

自分のまわりにマンダラ状に広がっている大切なことを適宜整理し、明確にしておくプロセスは人生のそれぞれの時期において大切なことなのでしょう。

そして、そのマンダラ模様を無心に眺めているだけでも心の平穏につながるような気もします。

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