院長コラム
Column
喫煙もみんなでやめればこわくない
2017年06月19日
喫煙は、ガンの発生を含めたさまざまな病気の発生率を増加させます。循環器領域では、動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や脳梗塞の発生を増加させることが特に問題となります。タバコによる酸化の刺激が悪玉のコレステロールと結び付くと、血管の中にプラークという脂肪の塊の水垢のようなものが血管に沈着していきます。また血栓ができやすくさせたり、血管を緊張させることにより血圧も上昇させるという問題もあります。
啓蒙活動により昭和40年代には80%以上あった喫煙率は現在では20%以下とかなりの低下を示しています。現在、タバコの値段も昔に比べると格段に高くなっていますし、喫煙場所もかなりすくなくなってきています。喫煙されている方もかなりの吸う決意も必要ですので、現在も喫煙を継続されている方はある意味、喫煙する根性があるのだと思います。
喫煙される方は人に迷惑をかけているわけではないので、タバコの吸うのは本人の勝手とよくいわれます。しかしながら、吸ったタバコの煙(副流煙)を周りの方が吸ってしまうと、同じくらい体に悪いということが証明されていますので、傍からいろいろ言われるのは大きなお世話ではすまされないのだと思います。
そうゆう私も10年前位までは喫煙習慣がありました。かぜを引きやすく体が疲れやすいということが一番のやめるきっかけでしたが、完全にやめるまでには少しの時間が必要でした。周りの方がすっているとどうしても気になってまた吸ってしまうこともありました。一人でやめるのは大変でも周りも含めみんなでやめれば大丈夫というのは一理ありです。
現在、当クリニックでも禁煙外来を行っています。病気のリスクをしっかり理解し、有効な禁煙薬を服用することで禁煙もかなりハードルが低くなったのでは感じています。いままで長期間の間どうしても禁煙できなかった方でも、禁煙外来では8割程度の禁煙成功率だと報告されています。政府を含めさまざまな方面から東京オリンピックに向かって喫煙ゼロを目指した禁煙運動を開始するようです。「喫煙はみんなでやめればこわくない」という時代になってきたのだと思います。