院長コラム
Column
道頓堀の鵜
2022年03月12日
クリニックを開業して以来、通勤の往来時には何気なくぼーと道頓堀川の水面を見つめる時も多いので、クリニック近くに限れば川の近況についてはかなり詳しいほうだと勝手に自負しています。
最近、クリニックのすぐ北で、道頓堀川にかかる橋(新戎橋橋、御堂筋にかかる道頓堀橋のすぐ西)が鳥の糞だらけになっているのに気づきました。もとより、鳩やカラスは多いところですが、その糞ではなさそうです。
カモメの大群でもきた後かともまずおもいましたが、頭上でカラスがあまりにも騒ぎたてているのでふと頭上を見渡したところ、、、
カラスより少し大型の鳥である「鵜」が高層のビルの屋上にズラリの並んでいるのに気が付きました。おそらく100匹以上はいそうです。
以前のコラム(2018年11月12日)でも書いたように、道頓堀川では鵜がときおり魚を狩りにきていることは気づいていました。しかし、これほどの数になっているとは。
恐竜図鑑の首長竜にも少し似ているようで、これほど数が多いと少々の恐怖も感じてしまいます。
しばらくすると飛び去ってしまうのだと思っていましたが、数週間たっても橋の上は相変わらずの糞だらけです。
最近ではカラスと手打ちしたのか、同じ群れの中に一緒に並んで共存共栄です。もしかしたら住み着くのでは?という雰囲気もでてきました。
多くの人をみて慣れてきたのか、最近では道頓堀川でくつろぎだしました。近くを通っても全く動じなくなってきたような。
確かに大阪みなみでは、鳩もカラスも近くにいってもあまり逃げません。人も多いのですぐに人慣れしてしまうのでしょうか。
少し調べてみると、川鵜は高度成長期には全国でも3千羽程度まで減少し、一時は絶滅が危惧されていたのが、最近急に増えてきているようです。
そして、普通は鯉などの淡水魚を潜って捕獲するそうです。
道頓堀から100mほど下流のリバープレースあたりでは川幅が広く少し浅瀬になり、橋の上からは70-80㎝位はあるかと思われる50-100匹程度の鯉の群れがいつも観察できますので、意外に道頓堀川には多くの鯉が生息してそうです。
さすがに大人の鯉にはたちうちできなくてもその子供などを捕食しているのでしょうか。
もしかしたら、道頓堀川の環境改善に取り組んだ結果、魚が増えて鵜が飛来するようになったのかもしれませんね。
一方、琵琶湖などでは鵜による生態系の破壊や環境被害も報告されています。難波の街でも玄関前が糞だらけになっている店では大変な営業妨害です。
鵜は自然あふれる田舎でのんびり暮らしているものと思っていましたが、都心にも進出してきています。
大阪みなみの真ん中でおきているとは少々有難い話ですが、いましばらくは鵜呑みに信じてもらってもいいクリニック近くのみなみの現況です。