院長コラム
Column
リスキリング
2023年02月13日
変化の激しい時代です。少し前では当たり前と思われていたことが、すぐに時代おくれになりそうです。
医療においても社会のながれを意識しないとすぐに取り残されそうな気もしてきます。
少し前にPCが多くの仕事のあり方を変えたように、今後は人工知能(AI)に代表されるテクノロジー進化により多くの仕事が変わっていくとされています。
先日の新聞では、これから広まりつつある対話型AIは、すでに米国の一流大学に合格する回答をすぐに用意し、今後検索作業においても革命的な変化がおきそうだとのこと。
AIの進化の社会へのインパクトは大きく、10年-20年の間に凡そ半分の仕事がなくなりそうとの試算です。
今生まれてくる人は、今とは全く違った仕事に就くと予想され、親はともあれ学校の先生も将来を見据えてどのように教育をするかは試行錯誤となりそうですね。
変革期には、環境に適応してうまく変化していかなければなければならないでしょう。
世界経済フォーラム(ダボス会議)では今後10年に10億人の労働者が、テクノロジーに進化に対応した、リスキリング(新しいことを学んでスキルを身につけ新たな業務実践すること)が必要となるそうです。
グローバルな海外企業では構造変化や競争力維持のため多くの人がリストラで解雇の対象になっていることが報道されています。
もちろん雇用を守ることは大切なことです。しかし、それを変化へのリスキリングのチャンスとしてとらえるという考え方もあるようです。
日本ではほとんど進んでいないそうですが、中高齢者のリスキリングはこれからの国の競争力の重要な指標とのこと。
「わてはこれしかできまへんがな」といってはみても、組織自体が維持できなければそれを認めることができません。
これからの不透明な長生き時代、今までのことを守るだけではなく、変化への努力は必要ということなのでしょう。。
医師の仕事のあり方や医療環境もどんどんかわってきそうです。
例えばレントゲンや生理検査などの細かい情報処理・評価・診断なども近いうちにもAIによる自動診断になるのかもしれません。
そして日常の診療においてもオンライン資格や電子処方箋の義務化の通知もあり、近いうちに診察から処方の流れのみならず医療行政サービスの流れも変わっていきそうな気配です。
突然の医療改革においては様々な戸惑や混乱もあり様々な意見がありますが、個人的には可能な限りは対応していくしかないと感じます。
以前の病院勤務の時には、医療のことのみを考えればよかったのですが、クリニックを運営するようになり、それ以外もいろいろと考えることは増えてきたような気もします。
日進月歩の医学の知識はもちろんですが、日々新しくなるテクノロジーの進化も適切に使いこなせるようなリスキリングはオヤジ医師においても必要なのだと感じています。