院長コラム
Column
糖尿病外来はじまります
2024年03月24日
同じものを食べているのにどうしても太ってしまい、なんとなく体もだるいし、喉もかわいてきた。そして気が付けば血糖も高くなり糖尿病へ。
よくよく聞いてみると「甘いものや間食が大好きで、それは別腹です。」といわれる方もちらほら。
もちろん体質もありますし、基礎代謝には筋肉量や運動量によってそれなりの個人差があります。しかし基本的には摂取と消費のバランスになるので、太ってくるにはなにかしらの理由があるのでしょう。
当クリニックに来院される糖尿病の方ではいわゆるメタボが潜んでいることが多そうです。
血糖はインスリンという膵臓から分泌されるホルモンにより調節されています。
血糖は高くなり過ぎても逆に低くなり過ぎたりしても意識障害が起き、その果てには命を落とすことにもなるくらいに生命を維持における根本的なものです。
メタボの方では、インスリンが比較的多く分泌されているにもかかわらず、そのホルモンへの体の感受性が低下しています。いわゆる2型の糖尿病です。
それを改善するには、薬の治療法も有効ですが、まずは食事療法、運動療法、体重管理などの生活管理が基本となります。
一方、インスリンの値がもとより低下しているために血糖が高くなる1型の糖尿病もあります。この場合、子供の頃の感染症や、遺伝因子にも由来します。
うまく説明できない特殊な病状も隠れていそうです。
そのためそれぞれの背景を十分配慮した指導や治療が大切です。
一般的には、糖尿病は神経障害、腎障害、網膜障害などを引き起こすことがしられていますが、循環器の病気とも密接です。管理が悪いと動脈硬化がすすみ心筋梗塞・心不全・脳梗塞などの発生も増加します。
インスリンの変化や増加は血管の反応異常にも関与するので、胸痛や胸部不快感などの症状にも関係するのでしょう。
また、インスリンは成長ホルモンの一つなので、血糖の管理が悪いと癌などの悪性腫瘍も増加しそうです。
重症の糖尿病の方では、より重篤な合併症も起きやすいため、より丁寧な指導や注射管理も必要になります。
そのため薬でも効果が不十分だったり、1型の糖尿病の患者さんは、今までは糖尿病の専門クリニックや病院に診療をお願いしてきたという少々歯がゆい思いがありました。
しかし、今年の4月(来月)より、重症な糖尿病の患者さんもよりきっちりと管理できるよう、糖尿病・内分泌を専門にする先生による外来を始めることになります。
火曜日と金曜日の午前中の診察です。そのために血糖値や平均の血糖値の指標となるHbA1c値が2分程度ですぐさま結果がでる測定機器を新たに配備します。
糖尿病とその合併症である循環器疾患をきっちりと予防・管理ができるのは循環器を専門としたハートクリニックだからこその利点なのだと思います。
そして当院は不整脈への治療も専門ですが、甲状腺ホルモンは頻脈。徐脈、不整脈の発生に密接です。
糖尿病に加えて甲状腺などの内分泌疾患もよりきっちり管理できること、それが当院での診療の幅が広がることにつながることなのだと期待しています。