院長コラム
Column
耳を澄ませば
2025年02月28日
日々の忙しさに追われていると、心を落ち着かせる時間を確保するのは難しいものです。目の前のことで精いっぱいになるとストレスがどんどん溜まってきます。
しかし、そんな中でも「耳をすます」ことを意識するだけで、心が穏やかになる隙間も見つけることができそうです。
特に、情報の洪水にさらされている忙しい時代だからこそ、自分を取り戻す余裕が大切なのだという気もします。
耳を澄ませば耳鳴りが。。。ということも歳とともにあるのかもしれません。私自身もそうなのですが、それでもそれ以外の音を意識することで少しは気にならなくなりそうです。
例えば、朝の鳥のさえずり、コーヒーを淹れる音、風が木々を揺らす音。これらの音に耳を傾けるだけで、一瞬でも心が静まり、気持ちに余裕が生まれます。
私たちの祖先は自然の中で生活していたため、川のせせらぎや鳥のさえずりは「安全な環境」のサインとして脳に認識されやすいのでしょうか。
また、最近の研究では、耳には聞こえない高音域の周波数が心を落ち着かせる効果を持つ可能性があることが示唆されています。自然の静けさも、樹々が発する測定できない超音波の影響があるのかもしれません。
私たちは知らず知らずのうちに、そうした音を感じ取り、安らぎを得ているのかもしれませんね。
また、周囲の音や何気なく聞こえてくる声にも耳を澄ませることで、その人の心の声に気づかされます。そして私自身にも。
慌ただしい日々の中では、本当の感情や願いを見失いがちですが、静かに耳を澄ませば自分が本当に求めていることも浮かび上がってきそうです。自分の内側と向き合う大切な時間なのでしょう。
忙しい日々の中だからこそ、少し立ち止まって耳を澄ませて心を落ち着かせる時間を見つける。
そして、心の声にも思いを馳せることにより、自分自身のきずきにもつながるような気もしています。