院長コラム
Column

大阪の人は見た目で判断しない

2018年01月06日

あけましておめでとうございます。今年の皆様のご多幸をお祈りもうしあげます。

先日、年明けの「秘密のケンミンショー」という各県の特徴や食べ物を紹介する番組をみていたら、大阪コーナーで大阪みなみのおっちゃんが特集されていました。第5弾ということだったので、人気のあるコーナーなのでしょう。関西以外の人にとっても大阪のおっちゃん、おばちゃんはなぜか気になる存在のようです。

番組では大阪のおっちゃんは見た目は怖いが、実は優しいというテーマでした。おっちゃん、おばちゃんは大阪のみなみや新世界地区に多く生息されているようです。確かにかなりいかつい人でも話をしてみると確かに親切です。職業は実は公務員という方もいて、思わずそれはないんとちゃうんとテレビにつっこんでしまいました。

クリニック裏(いわゆる座裏)の店でスキンヘッドでどう見ても素人にはみえない風貌のおっちゃんも、話すとかわいい声で優しい人だということで紹介されていました。

今年はじめてのクリニック出勤にも金髪パンチパーマーでサングラスという風貌のかなりいかついおっちゃんに道を聞かれました。話をするとかなり丁寧で見た目とのギャップがあまりにもありすぎでした。残念ながら場所を知らなかったので要望に応えることができませんでした。その後、近くにいた若い女性に再度道を聞いていましたが、びびって逃げられていたので、見た目がいかついと普段は苦労も多いのだと少し同情しました。

正月の親戚の集まりでは、せっかく大阪みなみの繁華街でクリニックをしているのなら、見た目は怖いが実は優しくて腕がいいという医者をめざしたらいいというアドバイスもいただきました。そのようなクリニックの漫画がいくつかあるのだそうです。

しかし、昔の学生時代はおばちゃんからしゅっとしてると言われた時はありましたが、最近では小太りの丸まるした顔つきとなり、残念ながら怖そうと言われることはほとんどなくなってしまいました。

最近、大阪のおっちゃん、おばちゃんは外見のいかつさや派手派手しさ、キャラクターの濃さからおもしろおかしく取り上げられます。確かにそれも面白いところですが、一方ではずけずけと遠慮なくプライベートに踏み込んでくるなどとも評され、それが他の地域の方からは批判されていることもありそうです。

しかし本当の大阪のおばちゃんとおっちゃんのいいところは、世話好きで思いやりがあり、庶民の目線から困った時に力になってあげるという大阪の昔からのよい文化を引き継いでいることなのだと感じています。

昨年クリニックには、場所柄いろいろな人が来られました。見た目も様々です。通常、病院や住宅街の循環器内科では、病気の特徴柄50代以降の患者さんがほとんどを占めます。しかし昨年の当クリニックの実績では、来院される患者さんの年齢はばらばらで、20代から80代まですべて同じ割合でその幅が広いことが特徴です。もちろん一見大阪みなみのおっちゃん、おばちゃん基準をクリアしている方もおられますが、実はみなさん中身は優しいです。

「一見、、、だが、実はいいところがある」というような大阪流の落として褒めるという言葉は、周りで聞いている人も嬉しくなるとてもよい褒め表現だと思います。一見このクリニックも小さくて大丈夫?と思ったけれど、実は優しく親切でなかなかしっかりしていると評されるよう、大阪のクリニックらしく頑張っていきたい想いです。

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