院長コラム
Column
病とともに
2018年09月18日
樹木希林さんが癌のため他界されました。ご冥福お祈り申し上げます。
乳癌の後の15年にわたる癌との共存生活でした。全身の癌と公表後も女優の仕事を続けられました。高齢社会を迎えるこれからの時代は、うまく癌や病気とうまく付き合って共に生きていく時代なのでしょう。
思わず笑いがでてしまう機転のきくコメントの裏にはいつも人にやさしい心遣いがありました。自らがたくさん苦労し、人の心の弱さを十分に理解しているからこそ、他人にやさしさを与えることができたのかもしれません。
別居生活の長い不思議な関係の夫婦でした。夫の内田裕也さんは、少しチャランポランに見えるところがありますが外見のいかつさとは別になぜか可愛げを感じます。
なぜかほっとけないお茶目なところに子供をみるような愛情を感じられていたのかもしれませんね。
夫はおだてておけば木に登るというのは面白い表現で、世の中の多くの男性を機嫌よくいてもらうための魔法の言葉なのだと思います。妻も私に同じことをいっています。
そして病気だったから日常に死を意識し向き合うことができた。病気になったから夫の内田さんとも歩み寄ることができ、向き合って話ができたとコメントされています。
病気は内なる体からのメッセージと考えれば、日々の生活や周りの環境を見つめなおすよいチャンスです。そして人を成長させてくれるのかもしれません。病気を患い伴に生きるということも悪いことだけではないのだと感じます。