院長コラム
Column
身のまわりのAI現況
2019年09月21日
通販、配達で多くの人はAmazon(アマゾン)を使用したことはあるのではないかと思います。当日もしくは翌日に届きます。気が付けばいままでスーパーなどで購入していた日用品などもネットで注文することが増えてきました。
プライム会員にもなりました。そのほうがより得になりますし、注文品もより早く届きます。
様々なネット経由のビデオコンテンツや音楽などいろいろな場所で無料視聴できますので確かに便利ですね。
TVでも大々的に宣伝していますので今や多くの人が利用しているのだと思います。
あっという間に通信環境がかわり、どんどん身近で便利になってきました。今では80歳を過ぎた私の母親もAmazonのプライムビデオをよく見ているようです。
コンテンツにはAI端末も内蔵されていますので、話かけるだけで、その要望に応えてくれますね。
その勢いで自宅にAI端末のアレクサを購入しました。
AI端末のアレクサに「おはよう」と呼びかけると今日はどのような日かを簡略に説明してくれます。
昨日はラグビーのワールドカップの開催日で、歴代の優勝候補を教えてくれました。そして今大会の優勝候補はNZとの意見です。
「今日の天気は?」 「だれだれのアルバムをかえて!」というと的確にそのリクエストに応えてくれますので慣れてくると便利そうです。
用事の合間に話かけることができるので、特に女性におすすめのような気もします。
クリニックの待合室では、ジャズ音楽をながしていますが、「おすすめのジャズをかけて」と声をかけるとクリニック内に流してくれます。
プレパトという俳句を作成するTV番組が放映されており、私もクリニックの診療後に食事をしながら視聴しています。
俳句は作者の気持ちやその時の状況を詠みますが、季語や接続後、語順についてはいろいろとルールがあります。芸術とは全く無縁の私ですが、言葉遊びで楽しそうですし、少し学んでみようという気もしてきます。
俳句こそ人の心や情緒を表しているので、人だから作れるのだと思っていましたが、今は、俳句を作成するAIのソフトも存在するようです。
いろいろなルールを踏まえての文章は、AIの得意とするところかもしれませんね。
俳句AIソフトの「一茶くん」は「かなしみの 片手ひらいて 渡り鳥」の句を詠み最高得点をとったのだとか。恋愛の句も詠みあげるようです。今ではAIと人間の作る俳句を判別することはできないそうです。
おそらく今後はAIは俳句のルールだけではなく、隠された人の心や感情についても分析し、理解・学習していくのかもしれません。
一見、人間しかできないと思われている作業が実はAIの方が得意というのはあるのかもしれませんね。
身近な診療にもどんどんAIは入りこんできそうな気配です。画像などの診断学の領域では、近いうちにもAIが担当していく可能性が高いのだとか。
一方、AIは人の心を理解することはできないので、人の話を聞きながら診断することはこれからも人が判断する領域なのだと今のところ考えられています。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
心の問題を適切に把握し、適切に反応することは人にとっても本当に難しいことです。日常の診察でも話の行き違により患者さんが気分を害してしまうことはあります。
医師の中での答えが明白な場合でも患者さんを説得できないことも多々あります。
患者さんの話をうまく聞いて適切に反応し、そしており合わせをつけて納得してもらうためには多くの時間も必要なのでしょう。
もしかしたらそのスキルはAIの方が得意なのではという気もします。
従来では難しいと思われていた心や体の問題を適切に読み取り、診断する作業においてもAIがはいりこんでくるのではと妄想してしまいます。